グリーン住宅ポイント制度の条件となる住宅性能とは?工事や契約の前に確認

グリーン住宅ポイント制度の条件となる住宅性能のイメージ

ポストコロナの経済回復や、省エネの促進・地方の住宅支援となる「グリーン住宅ポイント制度」。

対象範囲は広いものの、細かな住宅性能の条件があり、自身の住宅購入やリフォームが対象内なのか不安に思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、グリーン住宅ポイント制度の対象となる「住宅性能」について解説していきます。

建物の工事請負契約や売買契約をする前に、ぜひ確認してみてくださいね。

住宅性能(1):注文住宅を新築/新築分譲住宅を購入する場合

グリーンポイント制度の相談に乗る人

注文住宅を新築する、または新築(完成から1年以内)の分譲住宅を購入する場合の住宅性能は、下記のいずれかに該当することが条件です。

  • 高い省エネ性能等を持っている住宅
  • 一定の省エネ性能を持っている住宅

A.高い省エネ機能を持っている住宅とは

以下のいずれかの性能である必要があります。

  • 認定長期優良住宅
  • 認定低炭素建築物
  • 性能向上計画認定住宅
  • ZEH(ゼッチ)

B.一定の省エネ性能を持っている住宅とは

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律、平成11年法律第81号)に基づく日本住宅性能表示基準(平成 13 年国土交通省告示第1346号)で定める、断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能であることが条件です。

住宅性能(2):既存住宅を購入する場合

グリーンポイント制度で家を購入する人

すでに建設されている(不動産登記事項証明書の「新築」の日付が令和元年12月14日以前)住宅を、自分で住むために購入する場合は、以下のいずれかに該当する必要があります。

また、この既存住宅の売買契約金額は、税込100万円以上が対象です。

  • 空き家バンク登録住宅
  • 東京圏(「条件不利地域」以外)からの移住のための住宅
  • 災害リスクが高い地域からの移住のための住宅
  • 住宅の除却に伴い購入する既存住宅

A.空き家バンク登録住宅とは

空き家バンクに登録されていて、かつ地方公共団体がグリーン住宅ポイント生後の対象として認めた住宅が対象です。

準備が整いしだい、国土交通省のホームページから一覧で公表されます。

B.東京圏(「条件不利地域」以外)からの移住のための住宅

東京圏とは、東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県のことを指します。

また、以下の条件不利地域とからの移住は対象外です。

東京檜原村・奥多摩町・大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村
埼玉秩父市・飯能市・本庄市・ときがわ町・横瀬町・皆野町・小鹿野町・東秩父村・神川町
千葉館山市・勝浦市・鴨川市・富津市・いすみ市・南房総市・東庄町・長南町・大多喜町・御宿町・鋸南町
神奈川山北町・真鶴町・清川村

これらの条件に加え、下記項目に全て当てはまると、グリーン住宅ポイント制度の対象として認められます。

  • 2020年12月15日移行に、条件不利地域をのぞく東京圏から、条件不利地域をのぞく東京圏へ移住する。
  • 移住する日(住民票の転入日)を起算とした直近1年間について、連続して「東京23区に居住」または「条件不利地域をのぞく東京圏に通勤」する。※ただし、通勤に関しては移住3ヶ月前から起算できる。
  • 移住する日を起算とした直近10年間のうち通算5年以上の期間、「東京23区に居住」または「条件不利地域をのぞく東京圏に通勤」する。※ただし、通勤に関しては移住3ヶ月前から起算できる。
  • 条件不利地域をのぞく東京圏以外の地域で住宅を取得し、その住宅に5年以上継続して住む意志がある。

C.災害リスクが高い地域からの移住のための住宅

2020年12月15日に災害リスクの高い区域(土砂法に基づく)に住んでいる人が、区域外へ移住するための住宅が対象です。

D.住宅の除却に伴い購入する既存住宅

2020年12月15日以降に住宅を除却処理して、その人が既存住宅を購入する場合も制度の対象となります。

住宅性能(3):賃貸住宅を新築する場合

グリーンポイント制度でポイントを新築する人

賃貸用の共同住宅等を建てる場合は、建築物省エネ法(建築物の省エネルギー消費性能の向上に関する法律、平成27年法律第53号)の「住宅トップランナー制度の賃貸住宅に係る基準」に該当し、全住戸の面積が40㎡以上であることが求められます。

住宅性能(4):リフォームをする場合

グリーンポイント制度でリフォームをする人

施工者に工事を発注して行うリフォームでは、以下のものが対象です。

  • 開口部の断熱改修
  • 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 
  • エコ住宅設備の設置 
  • 耐震改修
  • バリアフリー改修
  • リフォーム瑕疵保険等への加入

A. 開口部の断熱改修

ガラス交換・内窓設置・外窓交換・ドア交換といった改修をすることで、開口部の熱貫流率が開口部比率の基準値(平成28年国土交通省告示第266号の、開口部の断熱性能等に関する基準)以下となることが条件です。

B.外壁、屋根・天井又は床の断熱改修 

改修した外壁・屋根・天井または床の部位ごとに、一定以上の断熱材を使用する断熱改修が対象です。

C.エコ住宅設備の設置

エコ住宅設備とは、以下のことをいいます。

  • 太陽熱利用システム
  • 節水型トイレ
  • 高断熱浴槽
  • 高効率給湯機
  • 節湯水栓

D.耐震改修

旧耐震基準から現在の耐震基準に合わせた住宅へリフォームすることを指します。

E.バリアフリー改修

バリアフリー改修とは、以下のことをいいます。

  • 手すりの設置
  • 段差解消
  • 廊下幅等の拡張
  • ホームエレベーターの新設
  • 衝撃緩和畳の設置

F.リフォーム瑕疵保険等への加入

国土交通大臣が指定している住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱う、リフォーム瑕疵保険と大規模修繕工事瑕疵保険が対象です。

【注意】住宅性能に関する各種証明が必要・重複申請は不可

住宅性能(1)~(4)で挙げてきたものを複数点満たす住宅は、どれか1つを選んで申請します。

重複申請はできないので注意しましょう。

また、リフォームを複数回実施する場合は、リフォームとしてのグリーン住宅ポイントを複数回に分けて申請することが可能です。

グリーン住宅ポイント制度の対象となる住宅性能であると証明するためには、登録住宅性能評価機関・所管行政庁・建築士などによる各種の証明書を揃えて提出する必要があります

制度の期限に間に合うように、各専門家に相談をしておきましょう。
※参照:国土交通省「グリーン住宅ポイント制度の内容について(令和2年12月15日時点)」

まとめ

グリーン住宅ポイント制度の対象となる住宅の性能について紹介してきました。

制度を活用するためには、指定の省エネ機能や移住範囲に該当する必要があります。

細かな基準があるので、契約や施工の前にしっかりと確認しておきましょう。

また、性能に関する証明書も必要になるので、忘れないようにチェックリストに入れておいてくださいね。